すべての中心にあったのは、やはり日本橋三越本店だ。2026年春と秋、二度にわたって開催されたこのメガイベントは、それぞれ「Part 1」「Part 2」と会期を分け、出店ブランドを総入れ替えするという力技を見せた。春の開催は3月、秋の開催は8月後半から9月にかけて。この時期、日本橋室町周辺は独特の甘いバターの香りに包まれていた。
特に秋の会期は凄まじかった。英国から来日した名だたるベイカーたちが、目の前でスコーンを焼き上げる実演販売。それを目当てに、開店前から数千人が列を作った。地下鉄の出口から伸びる最後尾プラカードは、もはや風物詩。平日の午前中であっても、人気店のブースは「90分待ち」が当たり前だった。あの熱気は、単なる買い物というより、一種のフェスティバルだったと言える。