日本の売春を取り巻く歴史は、国家による管理と廃止の歴史でもあります。戦前および戦後直後までは、政府や自治体が遊郭や赤線(特殊飲食店街)を公認し、娼婦の登録や性病検査を行う「公娼制度」が存在していました。
しかし、人権意識の高まりとGHQによる公娼廃止指令を受け、激しい国会論戦の末に1956年(昭和31年)に売春防止法が制定、1958年に完全施行されて公娼制度は完全に幕を閉じました。これにより、表通りから売春街は姿を消しました。
それから数十年が経過した現在、売春の手法は劇的な変化を遂げています。1990年代の「テレクラ」「援助交際」ブーム、2000年代の「出会い系サイト」、そして2026年代から2026年に至る現在は「SNSの裏アカウント」「マッチングアプリ」「秘匿性の高いメッセージアプリ」を用いた個人間取引へと完全にシフトしました。目に見える街頭の客引きが警察の集中取り締まりで一掃される一方で、ネットの深層に潜る「アンダーグラウンド化」が進み、法執行機関によるサイバー監視とイタチごっこが続いています。