私たちがこれほどまでに元号を見失いやすくなった背景には、スマートフォンの普及と業務のデジタル化がある。iPhoneの標準カレンダーも、Googleカレンダーも、基本設定はすべて西暦だ。ビジネスチャットやメールで交わされるスケジュール調整も「〇月〇日」とだけ書かれ、そこに元号が入り込む余地はほとんどない。
つまり、日常生活の9割以上を私たちは「西暦」のタイムラインで生きている。それにもかかわらず、運転免許証の更新や税金の申告、保険の契約書といった「人生の節目」とも言える重要な局面で、突然「令和」の記入を求められる。この脳のギアチェンジの難しさが、元号迷子を生み出す真犯人なのだ。