現代の若者を語る上で欠かせない「タイムパフォーマンス(タイパ)」という言葉。この効率主義の裏には、時間的にも金銭的にも追い詰められた彼らの焦燥感が見え隠れする。複数の副業を掛け持ちし、ギグワークで日銭を稼ぐ。スケジュール帳を限界まで埋め尽くす。そうしなければ、都市部での生活を維持できないという現実がある。
「暇があると考え込んでしまう」と語る都内のIT企業に勤める20代の男性は、本業の後にデリバリー配達員として働く。彼にとって、心身を限界まで追い込むことは、将来への不安を打ち消すための麻酔のようなものだという。余白のない生活こそが、皮肉にも彼らにとっての精神安定剤になっている。