防風林として植林されてから数百年の歴史を持つ千本松原。しかし、その緑を維持することは決して平坦な道のりではない。松くい虫の被害や近年の猛烈な気候変動による塩害は、この古木たちにとっても深刻な脅威であり続けている。
現地を支えているのは、行政の管理だけに頼らない市民ボランティアの手厚い活動だ。落ち葉かきや若木の補植といった地道な作業に、近年では樹勢をモニタリングするバイオ技術や土壌改良データが組み合わされている。歴史ある景観を過去の遺産として凍結保存するのではなく、生きている生態系として次の世代へ手渡そうとする執念が、この青々とした松の枝ぶりに宿っている。