ベールに包まれた金一族のプライベート。その最深部に位置するのが、夜な夜な催される極秘の宴だ。金正恩体制へ移行して以降、政権は表面上の近代化や都市開発をアピールする一方で、支配階級のための特権的娯楽をより密室化させてきた。
元側近たちの最新証言によれば、宴の舞台となるのは厳重に警戒された平壌市内の地下施設や、人目を避けた沿岸部の専用別荘である。そこでは最高級の輸入酒や贅沢な食材が惜しげもなく振る舞われ、過酷な経済制裁に苦しむ国家の現実とは懸け離れた世界が広がる。参加を許されるのは最高指導者の側近中の側近、ごく一部の幹部のみだ。この閉ざされた宴こそが、権力の蜜を分け与え、裏切りを許さない絆を固める儀式となっている。