飛び込み事故による損害賠償金は、法律上「不法行為に基づく損害賠償債務(民法709条)」として、行為に及んだ本人が負担すべき負債に分類されます。本人が死亡した場合、その債務はプラスの財産(預貯金や不動産など)とともに法定相続人へ自動的に引き継がれるのが民法の基本原則です。
裏を返せば、遺族が家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを完了させれば、電車飛び込みの損害賠償金を支払う義務は完全に消滅します。
相続放棄を行うにあたって絶対に遵守しなければならないのが、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」という熟慮期間(民法915条)の制限です。この期限内に管轄の家庭裁判所へ申述書を提出し、受理されれば、初めから相続人とならなかったものとみなされます。
注意点として、相続放棄を行うと故人の預貯金や不動産、車などのプラスの財産もすべて手放す必要があります。ただし、故人が契約していた死亡保険金(受取人が特定の遺族に指定されているもの)は受取人固有の財産とみなされるため、相続放棄をしても原則として受け取りが可能です。