いじめ重大事態をめぐっては、インターネット上やSNSで様々な情報が飛び交っていますが、法的な実務と乖離した誤解も少なくありません。代表的な3つの誤解を是正します。
誤解1:「学校が認めない限り、重大事態にはならない」
これは完全な誤りです。文部科学省の通達では、学校側が消極的であっても、児童生徒や保護者から「いじめにより重大な被害が生じた」という申し立てがあった場合、その申し立て自体を重く受け止め、重大事態の調査を開始することが原則とされています。学校長の一存で握りつぶすことは許されません。
誤解2:「不登校の日数が30日に達するまでは動けない」
30日はあくまで一つの「目安」に過ぎません。連続した欠席が数日であっても、自傷行為の兆候や極度の精神的衰弱が見られる場合は、1号事態(心身の重大被害)として即座に認定・調査されるべき事案です。日数の経過を待つ必要は一切ありません。
誤解3:「いじめ調査報告書が出れば、自動的に加害者が処罰される」
第三者委員会は司法機関ではないため、加害生徒に対する刑事罰や法的な損害賠償を直接命じる権限はありません。報告書はあくまで「客観的事実と因果関係を認定した公的文書」であり、法的責任の追及や民事上の損害賠償請求を行うための強力な証拠資料として機能します。