かつて一部の週刊誌が「実名報道」に踏み切った際、メディア倫理をめぐる激しい議論が巻き起こった。しかし、現在の主戦場は伝統的なメディアから、個人のSNSやアフィリエイトブログへと移行している。PV(ページビュー)を稼ぐための刺激的なタイトルとして、彼の名前や現在の居場所とされる情報が消費されているのだ。
こうしたバイラルメディアや個人インフルエンサーによる情報発信は、ジャーナリズムの倫理観とは無縁の場所で行われる。結果として、無関係の同姓同名の人物が風評被害に遭うなど、二次被害の発生も深刻化している。正義感に基づくとされる暴露行為が、実際には単なる商業主義や自己承認欲求の道具に成り下がっている現実がある。