日本国内でも、過去に重大事件の加害者が手記を出版し、ベストセラーとなった例がある。そのたびに世論は沸騰し、出版差し止めや印税没収を求める声が上がった。しかし、日本には同様の法律が存在しない。その背景には、憲法第21条が保障する「表現の自由」と「検閲の禁止」という高い壁がある。
また、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求によって、被害者側が加害者の印税を差し押さえることは技術的には可能だ。しかし、これはあくまで事後的な民事手続きであり、国家が法的に犯罪収益を自動的に没収するシステムとは根本的に異なる。この制度的ギャップが、日本における議論を複雑にしている。