いま、時代劇というジャンルそのものが大きな転換期を迎えている。かつてのような定型的な勧善懲悪や様式美だけでなく、現代社会のリアルな人間模様を投影した脚本術が求められているのだ。
最新鋭のLEDスタジオ撮影や高精細カメラの導入によって、戦国時代の生々しい空気感がかつてない鮮明さで画面に立ち現れる。だが、技術の革新以上に業界を驚かせているのは、登場人物たちの心理描写の緻密さだ。現代のビジネスパーソンにも通底する組織内の立ち回り、ナンバー2の苦悩、家族間でのパワーバランス。仲野太賀というリアリズムを極めた役者を得たことで、歴史ドラマは単なる過去の再現から「いまを生きる私たちの鏡」へと昇華している。