2013年春、坂口良子が57歳という若さでこの世を去った。その瞬間、彼女の精神的な防波堤は音を立てて崩れ去った。最大の理解者であり、人生の指針であった母を失った喪失感は、想像を絶する深さだった。精神的支柱を失った彼女の周囲には、いつしか芸能界の利権や金銭を狙う不穏な影が忍び寄るようになる。
義父となった尾崎建夫ら家族との関係性にも、母の不在によって埋めがたい距離が生じてしまった。頼るべき肉親との心理的断絶、遺産や金銭を巡るトラブル、そして夜の街での浪費。寂しさを埋めるようにホストクラブ通いを重ね、多額の借金を背負うに至った背景には、母を失った深いトラウマと孤立無援の苦悩があったことは疑いようがない。