40代後半に差し掛かると、避けて通れないのが「親の老い」である。実家とのつながりだけが唯一の精神的支柱だった人々にとって、親の認知症や介護の始まりは、その支柱が崩壊することを意味する。兄弟姉妹がいたとしても、それぞれの家庭の事情があり、介護の負担が独身者に集中するケースは少なくない。
そして、親を見送った後に訪れるのは、完全なる「個」としての孤立だ。自分が倒れたとき、誰が気づいてくれるのか。孤独死という言葉が、単なるニュースの出来事ではなく、明日の我が身の現実としてリアルな恐怖を伴って迫ってくる。この将来への圧倒的な不安こそが、彼らの精神を摩耗させる最大の要因だ。