佐藤二郎を巡り、ネット上で長年議論されているのが「噂の真相:アドリブばかりで台本を無視しているのではないか?」という疑問です。特に福田雄一監督が手掛ける「福田組」の映画(『銀魂』『今日から俺は!!』など)やドラマ(『勇者ヨシヒコ』シリーズなど)において、共演者を本気で吹き出させる長尺の掛け合いが名物となっていることから、一部では「自由奔放にふざけているだけではないか」という見方をされることもありました。
しかし、映画関係者への取材や共演俳優の証言、本人の手記などを検証すると、この噂の真相は180度異なることが浮き彫りになります。現場における佐藤二郎の芝居は、ミリ単位で計算し尽くされた緻密な設計の上に成り立っています。
映画『さがす』(片山慎三監督)で魅せた、姿を消した父親役の鬼気迫るリアリズムを見れば、彼が単なるコメディアンではないことは明白です。台本のト書き一行から登場人物の呼吸や心理的背景を徹底的に読み解く探求心こそが、彼の圧倒的な演技力の正体なのです。