ソーシャルメディア上では「市橋達也のように自分で整形手術を施しているのではないか」「反社会的勢力や何らかの地下組織が匿っている」という言説が頻繁に語られます。しかし、元刑事や犯罪ジャーナリストの分析は、より冷徹かつ現実的な盲点を突いています。
まず、セルフ整形(自己医療処置)や非正規クリニックでの整形説についてです。市橋事件のように自らハサミでほくろや唇を切除するような過激な行為は、衛生環境や抗生剤の入手ルートがなければ重度の感染症を引き起こし命に関わります。美容外科クリニックでの正規手術は現在、身分証提示が厳格化されており、偽名での施術は極めて困難です。そのため、プロのプロファイラーは「抜歯による輪郭変化、激しい体重の増減、日焼けや髭の放置による人相の変容」など、医療を介さない外見変化で潜伏している公算が高いと分析しています。
また、「支援組織による組織的逃亡」という噂に対しても、過度な陰謀論を警戒する必要があります。重大事件の指名手配犯を匿う行為は犯人蔵匿罪(刑法103条)に抵触し、組織にとっても極めて高いリスクを伴います。現実的には、組織的な庇護ではなく、事情を知らない個人宅への居候、あるいは素性を詮索しない住み込みの解体作業員・農家・林業などの現場に単独で紛れ込んでいるシナリオが最も現実的です。