いま、永田町で囁かれているのは「宏池会的なるもの」、ひいては谷垣氏が象徴していた「リベラル保守」の空洞化に対する危機感だ。タカ派的な威勢の良さや、SNSでの極端な論陣が注目を集めやすい現代の政治空間において、中間層の意見を拾い上げ、社会の分断を回避する調整型の政治家が激減している。
谷垣氏は、改憲論議や安保政策においても厳格な立憲主義を重視し、安易なタカ派的パフォーマンスとは一線を画してきた。異論を排除せず、合意形成を重んじるその政治姿勢は、一見すると決断力に欠けるように見られがちだ。しかし、社会の分断が深刻化する2026年の日本において、多様な価値観を繋ぎ止める「ハト派の粘り強さ」こそが最も希少な資源となっている。