2026年の新語・流行語大賞が発表された直後、主要ポータルサイトのアンケート調査やSNSのトレンドランキングは荒れ模様となりました。多くの人々が口を揃えた批判の核心は、「実際に誰も使っていない言葉が、あたかも国民的大流行のように祭り上げられている」という強烈な違和感です。
年間大賞を受賞した「ふてほど」は、脚本家・宮藤官九郎氏が手がけ、昭和のダメ親父が令和へタイムスリップするギャップを描いて高い視聴率とTVerでの歴代記録を打ち立てた名作ドラマです。作品自体のクオリティやエンタメ業界への貢献度を疑う声は少ないものの、問題視されたのは「ふてほどという略称を日常のコミュニケーションで発話していたか」という点でした。ネット上では「ドラマは毎週楽しく観ていたが、『ふてほど』なんて一度も口にしたことがない」「業界人やメディア関係者が誌面の見出しで使っていただけではないか」という醒めた指摘が相次ぎました。
さらに火に油を注いだのが、2026年11月初旬に公開されたノミネート語30選のラインナップです。ドジャースの大谷翔平選手が達成した前人未到の記録「50-50」や、Creepy Nutsの世界的大ヒット曲「Bling-Bang-Bang-Born」といった文句なしのトピックが含まれていた一方で、リストの随所に散見されたのは「裏金問題」「マイナ保険証一本化」といったニュースの見出し語でした。「これらはニュース用語であって、大衆が好んで口にした流行語ではない」という不満が、長年蓄積されていた同賞への不信感を一気に爆発させる引き金となったのです。