『コウノドリ』を語る上で絶対に欠かせないのが、謎の天才ピアニスト「BABY」の顔を持つ産科医・鴻鳥サクラが奏でるピアノ楽曲の数々です。本作のピアノテーマおよび音楽監修を務めたのは、日本を代表するピアニスト・清塚信也でした。
メインテーマである『Baby, God Bless You』は、清塚信也が「生まれてくるすべての命への祝福」を込めて作曲したインストゥルメンタルの名曲です。クラシックの端正な構成美の中に、ジャズやポップスの即興性が織り交ぜられ、サクラの優しさと内に秘めた情熱が鮮やかに表現されています。
特筆すべきは、主演の綾野剛自身が猛特訓を重ね、劇中の演奏シーンを実際に弾きこなしたという驚異的なエピソードです。クランクインの数カ月前からピアノに触れ、1日何時間もの過酷な練習を積んだ綾野剛は、代役や手元の吹き替えをほぼ使わずに難曲を完全再現しました。清塚信也も当時の対談等で「プロのピアニスト顔負けの集中力と表現力」と舌を巻いたほどであり、この本物の演奏がドラマに圧倒的な説得力を与えました。