「回顧橋」は一般に「みかえりばし」、正式名称である回顧の吊橋は「みかえりのつりばし」と読みます。この印象的な名称は、明治時代に塩原温泉をこよなく愛した文豪・尾崎紅葉が名付けたことに端を発しています。
塩原の自然美に深く心を寄せ、名作『金色夜叉』の構想を練った地としても知られる尾崎紅葉は、この渓谷の美しさを「旅人が思わず振り返り(回顧し)たくなるほどの絶景」と表現しました。山深き渓谷をあとにしようとする者が、名残惜しさに何度も足を止めて振り返ってしまう情景をそのまま表した、極めて情緒豊かな命名です。
昭和から平成、令和へと時代が移り変わってもその景観の美しさは損なわれることなく、那須塩原を代表する自然景勝地として受け継がれています。