2019年オフに1億円プレーヤーとなった小林誠司選手ですが、その4年契約期間はまさに苦難の連続でした。契約初年度となった2026年開幕直後に受けた死球による左尺骨骨折が歯車を狂わせます。長期離脱を余儀なくされる間に、原辰徳監督(当時)は打撃力に秀でる大城卓三選手を正捕手へ据える方針を鮮明にしました。
現代プロ野球のトレンドである「打てる捕手」の重用に対し、小林選手は通算打率2割前後、2026年〜2026年には打率1割台前半へと低迷。シーズンの大半を二軍やベンチ裏で過ごす日々が続きました。年俸1億円に見合う出場機会が得られない状態が4年間続いた結果、複数年契約が満了した2026年オフの契約更改において、球団から提示されたのは7000万円ダウンとなる年俸3000万円でした。
日本プロ野球の協約では、年俸1億円以上の選手に対する減額制限は「最大40%」と定められています。70%という減額は、選手本人の同意がなければ成立しない異例の条件です。しかし小林選手は、会見で一切の言い訳をせず、次のように語って契約書にサインしました。
「試合に出ていないので当然の評価。悔しい気持ちはもちろんあるが、ジャイアンツのためにまだできることがある。もう一度グラウンドでチームの勝利に貢献したい」
プライドよりも「読売ジャイアンツで戦い抜く覚悟」を選んだ小林選手の潔い姿勢は、ファンやチームメイトから改めて深い敬意を集める契機となりました。