人参栽培に挑戦した多くの人が直面する最初の壁が「発芽率の低さ」です。市販の人参の種は発芽率が約60〜70%と一般的な野菜(トマトやナスなど80%以上)に比べて低めに設定されていますが、失敗する本質的な原因は種そのものではなく、植物生理の特性を無視した種まきにあります。
人参の種子は、発芽に光を必要とする好光性種子です。光が届かないほど深く土を被せてしまうと、どれだけ水を与えても休眠状態から目覚めません。土をかける厚さは種が隠れるか隠れないかの2〜3mm程度が鉄則です。
さらに、人参の種皮には吸水を阻害する物質が含まれており、発芽までに大量の水分を継続して必要とします。種まき直後に一度水やりをしただけで放置し、土の表面がカラカラに乾いてしまうと、吸水しかけた種が死滅します。発芽が揃うまでの約1週間は、不織布やもみ殻、新聞紙などを被せて土の保水力を維持し、毎日欠かさず水やりを行うことが成功への絶対条件です。