インターネット上のファンコミュニティやSNSでは、「山本由伸は高校時代まったくの無名投手だった」「プロに入ってから突然覚醒したシンデレラストーリーだ」と語られるケースが散見されます。しかし、当時の高校野球取材記録や現場の声を検証すると、この俗説は明らかな誤解であることが分かります。
実際、2年秋に151キロを計測した時点で、プロ野球全12球団のスカウト陣は山本投手をマークしていました。当時対戦した宮崎県内の球児や指導者たちは、「直球の回転軸がブレず、ベース板の上で浮き上がるような錯覚を覚えた」「高校生相手では分かっていてもバットに当たらない球だった」と口を揃えています。
つまり、決して実力が無名だったのではなく、全国露出がなかっただけに過ぎません。甲子園という巨大メディアのメガホンに乗らなかったため一般ファンの認知度が低く、それが「無名からの下克上」という過剰な物語として消費されてしまったのが真相です。