五輪引退後の森末さんのキャリアは、アスリートのセカンドキャリアとして異例の成功例と言えます。スポーツキャスターとしての的確な解説はもちろんのこと、持ち前のユーモアとトーク力でバラエティ番組の人気者となり、俳優や歌手としてもマルチに活躍しました。
さらに表現の幅を広げるため、落語界の重鎮に教えを請い、落語家として高座に上がった経験も持っています。伝統芸能に飛び込んで話芸を磨く姿勢は、多くの関係者を驚かせました。
そしてもう一つ、文化面での金字塔となったのが、週刊少年サンデーで連載された体操漫画『ガンバ! Fly high』の原作担当です。作画の菊田洋之さんとタッグを組み、主人公・藤巻駿が五輪を目指す情熱的な物語を描き出しました。同作は第43回小学館漫画賞を受賞し、テレビアニメ化も果たす大ヒットを記録。この作品を読んで体操を始めたと語る後の五輪選手も多く、日本の体操界に計り知れない貢献を残しています。