「バッテラ」と「鯖寿司(鯖の押し寿司)」は、一見すると同じように見えるため混同されやすい。しかし、その立ち位置や製法には明らかな違いが存在する。
最大の差異は、使用する鯖の厚みと仕立て方にある。一般的な鯖の押し寿司や京都の名物「姿寿司」などは、丸々とした鯖の半身を贅沢に使い、厚みのある身と酢飯を竹皮や布巾で丸く棒状に巻き上げる。対してバッテラは、薄く観音開きにした鯖の身を用い、木製の箱型に敷き詰めてきっちりと四角く押し固めるのが特徴だ。
また、重ねる層の構造も大きく異なる。バッテラは酢飯、観音開きの薄切り鯖、そして最上部に「白板昆布」をのせた綺麗な三層構造を描く。高級感溢れる大ぶりの鯖寿司に対し、バッテラは庶民の粋な日常食として進化してきた経緯があり、一口食べればその口当たりの軽やかさと絶妙なバランスに気づかされるはずだ。