名作『東京ラブストーリー』や『Mother』、そして映画『花束みたいな恋をした』など、数々のヒット作を世に送り出してきた巨匠脚本家・坂元裕二。彼がフジテレビ系列の伝統ある枠「木曜劇場」のために書き下ろした本作は、ドラマ表現の可能性を極限まで押し広げた傑作であった。
坂元裕二が描く世界には、安直なハッピーエンドは存在しない。しかし、絶望のどん底を描き切った末にたどり着く結末には、かすかではあるが確かな「生きる希望」が灯されている。どんなに過去が消せなくとも、傷が癒えなくとも、人は今日を、そして明日を歩み出すことができる。その深い人間愛と感動の結末は、放送から年月が経った今も、観る者の心に消えない光を灯し続けている。