彼女の音楽人生を語る上で欠かせないのが、作曲家・市川昭介との運命的な出会いである。デビュー間もない彼女の天賦の才能を見抜き、独特の節回しを極限まで引き出した市川の存在なくして、国民的歌手・都はるみは誕生しなかった。
1964年に発表された『アンコ椿は恋の花』で見せた波打つようなコブシと情熱的な歌声は、日本中を驚嘆させた。さらに1975年の『北の宿から』では、切ない女心を情感豊かに歌い上げ、日本レコード大賞を受賞。市川の緻密なメロディと都はるみのダイナミックな表現力が融合した楽曲群は、今なお演歌の金字塔として輝き続けている。