働き方改革の一環として各企業で導入が進む制度ですが、「時差出勤(スライドワーク)」と「フレックスタイム制」の運用上の違いを正確に把握していないケースも見受けられます。スムーズな制度利用のためには、両者の法的・実務的な違いを理解しておくことが欠かせません。
時差出勤(スライドワーク)は、1日の所定労働時間(例:8時間)を変えずに、始業・終業時刻を前後にずらす制度です。「Aパターン:7時30分〜16時30分」「Bパターン:8時30分〜17時30分」「Cパターン:10時00分〜19時00分」のようにあらかじめ定められた勤務区分から選択する形式が多く、日ごとの労働時間の長短は発生しません。就業規則の変更とシフト管理で導入できるため、労務管理が比較的シンプルなのが特徴です。
対照的に、フレックスタイム制は清算期間(通常1か月)の中で総労働時間を満たすよう、日々の始業・終業時刻および労働時間を従業員自身が自由に決定する制度です。コアタイム(必ず勤務すべき時間帯)を設けるケースが一般的で、日によって6時間勤務にしたり10時間勤務にしたりと柔軟に調整できますが、導入には労使協定の締結が必要となります。チームの業務連携や取引先との連絡頻度に応じて、自社に最適な形式を選ぶことが重要です。