VR同人の広がりを語る上で欠かせないのが、ユーザーが空間そのものを生活拠点とするVRChatの存在だ。ここでは「観客」と「製作者」の境目が極めて曖昧であり、誰もが何らかのクリエイターとして参加する独自の文化が形成されている。
バーチャル世界での自己表現や文化現象を精力的に発信・調査しているバーチャル美少女ユーチューバー/VR文化研究者の仮想美少女ねむ氏は、こうした熱狂の背景について「バーチャル空間におけるアイデンティティの獲得が、3Dアバター制作や空間デザインの需要を爆発的に高めている」と指摘する。自分好みの姿になり、思い思いの空間で他者と交流する体験は、これまでのSNS文化とは一線を画す深い愛着と経済価値を生み出している。