「綺麗になるのはいいことだけど、今まで培ってきたご近所のつながりが消えてしまうんじゃないかという不安はあるよ」
半世紀以上にわたり駅前で老舗の肉屋を営む70代の店主は、工事の重機を見上げながらポツリと本音を漏らした。長年この街を見守ってきた古参の住民たちにとって、タワーマンションがそびえ立つ未来は期待と戸惑いが交錯する複雑な風景だ。
だが、周辺の不動産業に目を向けると熱気はまるで対照的だ。「これまで山手線の隣駅でありながら『地味な穴場』と評価され続けてきた。再開発が始まって以降、投資家や一次取得層からの問い合わせは激増している」と地元の仲介業者は語る。街のイメージ刷新と利便性の飛躍的な向上を見越し、市場の熱視線はかつてない高まりを見せている。