メインイベントのゴングが鳴ると同時に、アリーナ全体を包み込んだのは息をのむような静寂だった。互いに一歩も引かない緊迫した間合いのなか、試合を動かしたのは新挑戦者の鋭い踏み込みだった。第1ラウンド中盤、チャンピオンの放った強烈なローキックに対して、完璧なタイミングでカウンターの右ストレートがヒット。一瞬で崩れ落ちる王者に対し、間髪入れずにパウンドの雨を降らせ、レフェリーが慌てて割って入った。
マットに沈んだ前王者をよそに、勝利した新王者はコーナーポストに駆け上がり、野獣のような咆哮を上げた。誰もが予想しなかった圧巻のTKO決着に、客席からは割れんばかりの歓声と悲鳴が交錯する。試合後のマイクパフォーマンスで新王者は、「これが俺たちの世代の戦いだ。時代が変わったことを証明してやった」と語り、汗と涙が混じった顔でベルトを誇らしげに掲げた。