新世界国際劇場を語るうえで欠かせないのが、同ビル地下で営業していた「新世界国際地下劇場」の存在です。洋画の名作・大作を上映していた地上階の本館に対し、地下劇場は主にピンク映画やゲイ・ポルノ、成人向けコンテンツを上映する専門館として機能していました。
特筆すべきは、本館の入場券を持っていれば地下劇場との間を自由に行き来できるという、全国的にも極めて珍しい相互フリーパス制が採られていた点です。猥雑さと大衆文化が混然一体となった新世界という街の空気感を象徴する空間であり、独自のコミュニティやサブカルチャーの交差点としての側面も持っていました。昭和アンダーグラウンドの息遣いを最後まで残した空間として、カルチャー研究者やドキュメンタリー作家からも高い注目を浴びていました。