国内トップリーグおよびリーグワンでの足跡もまた、圧倒的な勝負強さに彩られている。黄金期を築き上げた埼玉パナソニックワイルドナイツ(旧・三洋電機/パナソニック)では、冷静沈着なゲームメイクと卓越したディフェンス力で数々のタイトルを獲得。名実ともに日本最高峰のスクラムハーフとして君臨し続けた。
しかし、キャリアの最終章に選んだのは、再建途上にあったNECグリーンロケッツ東葛だった。勝つことが当たり前の常勝軍団を離れ、あえて苦境のチームへ飛び込んだ理由を、田中は「自分が培ってきた勝者のメンタリティとラグビー愛を、泥にまみれて伝えたい」と語っていた。肉体の限界、度重なる怪我と戦いながらも、最後までグラウンドで声を枯らし、チームのために身体を張り続けた姿は、後輩たちの脳裏に強烈なプロフェッショナリズムとして焼き付いている。