個性的すぎる登場人物たちのコミカルな掛け合いを支えたのは、脚本家・畑嶺明の計算し尽くされたセリフ回しだ。センセーショナルなテーマを扱いながらも、後味の良い青春群像劇として成立させた手腕は圧巻と言うほかない。
さらに、脇を固めるベテラン勢の存在感が作品のリアリティを底上げした。母親役を演じた木内みどりのしなやかで温かみのある演技と、父親役の板東英二が見せた人間味あふれる喜怒哀楽。彼らが繰り広げるテンポの良い夫婦ゲンカや家族のやり取りは、過激な演出の裏にある「昭和の家庭像」をリアルに浮き彫りにしていた。