「三大」という枠組みの起源を辿ると、江戸時代の旅ブームや明治期の鉄道網拡大に行き着く。当時の版元や観光開発の先駆者たちが、人々の旅情を煽るために考案したキャッチコピーが発端だったケースは枚挙にいとまがない。
数字の「3」は人間心理に最も心地よく響くマジックナンバーだ。2つでは対立を生み、4つでは散漫になる。3つ揃って初めて、揺るぎない安定感と物語が生まれる。この心理的盲点を突いたプロモーションは、戦後の高度経済成長期にマスメディアと結託し、国民的な共通認識へと昇華していった。
しかし、その選定基準は極めて曖昧だ。公的な認定機関が存在するわけではない。言ったもの勝ち、広めたもの勝ちの力学がそこには働いている。