この爆発的なグッズブームの背景には、映像メディアが果たした決定的な役割がある。Netflixのドキュメンタリーシリーズ『Formula 1: 栄光のグランプリ』が新規ファンを劇的に開拓したのに続き、Apple Original Filmsが手がける映画『F1』の公開がその熱を決定的なものにした。パドックの裏側にある生々しい人間模様や息をのむ映像美に魅了された新たな世代は、グッズに対して従来とは異なる価値観を求めている。
彼らが求めるのは、従来の「スポンサーロゴで埋め尽くされたウェア」だけではない。日常のコーディネートに溶け込む洗練されたシルエット、上質なヘビーウェイトコットン、そしてヴィンテージの雰囲気を漂わせるオーバーサイズデザインだ。週末にDAZNやF1 TVにかじりついてリアルタイムのセッションを追いかける熱狂的なファンはもちろん、ライフスタイルの一部としてモータースポーツの美学を纏う人々が増えたことで、グッズの立ち位置は完全にストリートウェアの最前線へとシフトした。