2006年春、ひとつの賭けが始まった。朝の帯番組『スッキリ』(テレビ番組)のメインMCに抜擢されたのは、深夜番組で破天荒な暴れっぷりを見せていた極楽とんぼの加藤浩次。当初、業界内からは「朝の空気感に馴染むはずがない」「半年持てばいい方だ」と冷ややかな視線が向けられていた。
だが、加藤は周囲の予想を鮮やかに覆す。台本通りの無難なコメントを徹底して拒み、不祥事を起こした政治家や芸能人に対して視聴者の違和感をストレートに代弁した。自らの感情を隠さず、理不尽には怒りを露わにし、理屈が通らない言説には真っ向から異を唱える。生放送特有のヒリつくようなライブ感こそが、朝のワイドショー戦争において同番組をトップランナーへと押し上げた最大の原動力だった。