原作・空知英秋の手によって生み出された快援隊の設定には、綿密な裏背景が隠されている。攘夷戦争で剣を振るえなくなった過去の挫折を抱えながら、商人の道を選んだ辰馬の物語は、作品全体を通しても異色の輝きを放つ。副官である陸奥との軽妙な掛け合いや信頼関係の深さも、ファンの間で高く評価されるポイントだ。
コミックスや公式ファンブックで示された裏設定を紐解くと、彼の行動理念には常に「誰も死なせないための商談」という強いポリシーがあることが分かってくる。武力ではなく経済と交渉で世界を変えようとする姿は、まさに独自のSF時代劇が描き出したもう一つの幕末像と言える。