朝の喉の痛みを引き起こす病態は多岐にわたるが、最も頻度が高い臨床像が風邪症候群の一症状として生じる急性咽頭炎だ。ウイルスや細菌が咽頭粘膜に付着して激しい炎症を起こすと、局所の血流が増大して発赤や腫脹をもたらす。このとき、現場で診察にあたる耳鼻咽喉科専門医は、単なる乾燥による一時的な上皮ダメージなのか、病原体による感染性炎症なのかを慎重に鑑別する。
乾燥による刺激は粘膜表面のバリア機能を失わせるだけで自律的な回復が早いが、感染性の咽頭炎は日中になっても痛みが引きにくく、むしろ時間を追うごとに悪化する特徴がある。咽頭の後壁に白い膿が付着している場合や、リンパ節の腫れを伴う場合は、抗菌薬の投与が必要な細菌感染の可能性が高いため、自己判断での放置は厳禁である。