二宮和也と坊主頭といえば、映画ファンが真っ先に想起するのが2006年の名作『硫黄島からの手紙』だ。巨匠クリント・イーストウッド監督がメガホンを取り、アカデミー賞をはじめ世界中の映画賞を席巻したこの戦争映画において、二宮は理不尽な戦火に巻き込まれる一兵卒・西郷を演じきった。
当時、トップアイドルとして多忙を極めていた青年が頭を丸め、泥と汗にまみれて演じた姿は、それまでの「日本のアイドル俳優」の枠組みを根底から覆した。イーストウッド監督をして「稀代の才能、言葉が通じなくても表情ひとつで感情を完璧に伝えられる」と言わしめた演技力は、世界水準の評価を確立させた。
ハリウッドという最高峰の舞台で、自らの肉体を素材として差し出したあの原点。今回の丸刈り姿にも、当時と変わらない、いや、長い年月を経てさらに研ぎ澄まされた「作品第一主義」の魂が脈打っている。