「毎日欠かさず水をあげていたのに、いつの間にか茶色く変色してしまった」――これは初心者が最も多く直面するトラブルです。苔盆栽が枯れる理由の大半は、水不足ではなく「水のやりすぎによる蒸れ」と「環境の不一致」にあります。
苔には維管束(根から水を吸い上げる管)がなく、体全体で水分と光を吸収します。鉢底に水が溜まり続けた状態で通気性が悪い場所に置かれると、苔の内部で雑菌が繁殖し、根元から腐敗が進んでしまいます。また、直射日光に当てすぎると葉焼けを起こし、逆に光が全く届かない極端な暗所に置くと光合成ができずに衰弱します。
特に注意したいのが梅雨時や夏場の苔盆栽カビ対策です。風通しが悪い密閉空間では、表面に白や灰色の綿状カビが発生しやすくなります。カビを発見した際は、すぐにピンセットで患部を取り除き、風通しの良い明るい日陰へ移動させることが回復への第一歩となります。