ここ数年で、日本人の「外食」に対する概念は急激に多様化した。とりわけ冠婚葬祭や家族の節目を祝う「ハレの日」の集まりにおいて、自宅というリラックスできる空間で本格的な料理を味わいたいという需要が跳ね上がっている。小さな子どもがいる世帯では周りの目を気にする必要がなく、高齢の家族がいる家庭でも移動の手間や身体的負担を考慮せずに済むからだ。
利用者の選択基準も変化した。単なるデリバリーファストフードや一般的なテイクアウトでは満たされない「特別な日のための本物感」が強く求められている。重箱に美しく盛り付けられた季節の会席料理や、伝統に裏打ちされた出汁の味わい。家庭のダイニングテーブルをそのまま一流料亭の座敷へと変える体験が、幅広い世代に選ばれる理由となっている。