葉真中作品の映像化は、原作の持つ重厚なメッセージ性を損なうことなく映像美と演技力で昇華させた成功例として知られています。
映画『ロストケア』(2026年公開、前田哲監督)では、42人もの高齢者を殺害した心優しき介護士・斯波宗憲役を松山ケンイチ、彼を追い詰める検事・大友秀樹役を長澤まさみが熱演しました。「救命のための殺人」を主張する犯人と法を守る検察官の激しい舌戦は、多くの観客に深い余韻を残しました。
一方、2019年にWOWOW「連続ドラマW」で映像化された『絶叫』では、主演の尾野真千子が平凡なOLから社会の底辺へと転落し、やがて稀代の犯罪者へと変貌していく主人公・鈴木陽子を怪演。孤独死を発端に暴かれる保険金殺人と貧困ビジネスの闇を生々しく描き、ギャラクシー賞をはじめ各方面から絶賛を浴びました。