「ほんの数分目を離した隙に、腕がベルトの外に出ていた」「信号待ちで振り返ったら、バックルを自力で解除していた」。こうした悲鳴のような体験談は後を絶たない。自我が芽生え始める1歳半から3歳頃の子どもにとって、チャイルドシートに体を固定される窮屈さは強いストレスとなる。退屈さや眠気、あるいは単純な好奇心から、体をよじって隙間を作り出す知恵を身につけてしまうのだ。
警察庁と日本自動車連盟 (JAF) が合同で実施しているチャイルドシート使用状況調査を見ても、シートへの着座自体は定着しつつあるものの、正しく固定できていない「不適正装着」が依然として目立つ。ベルトの緩みやねじれ、肩ベルトのすり抜けを放置した状態で万が一の衝突事故に遭遇すれば、車外放出や車内での激突といった最悪の事態を招きかねない。運転中の親が後方に気を取られ、前方不注意による追突事故を起こす二次被害も深刻な問題だ。