VIPの存在感を決定づけた最大の要因は、レス番号を指定してその指示に従う「安価(アンカー)スレ」の確立でした。「>>10の言う通りに告白してくる」「>>5の食材だけで料理を作る」といったリアルタイムの参加型エンターテインメントは、読者と投稿者が一体となって物語を作り上げる新しいネット体験を生み出しました。
この時代に生まれた2ちゃんねる VIP 伝説スレは枚挙に暇がありません。深夜の悪ノリから始まった大規模なオフ会や、架空のゲーム「タケシの挑戦状」さながらの壮大な創作劇、さらにはAA(アスキーアート)を用いた「やる夫」シリーズの誕生など、膨大な名作まとめがネット上にアーカイブされていきました。現在でも有志による過去ログ保存サイトには、当時の熱量が克明に記録されており、初期インターネットの集合知と悪童たちのエネルギーを今に伝えています。