鎌田敏夫の卓越したストーリーテリングは、テレビドラマの枠を大きく飛び越え、日本映画界の黄金期にも遺憾なく発揮されました。特に1970年代後半から1980年代にかけての「角川映画」全盛期において、彼は中核的な役割を担いました。
1979年の映画『戦国自衛隊』では、戦国時代へタイムスリップした自衛隊員たちの過酷な運命を圧倒的なスケールで描写。さらに1983年の超大作『里見八犬伝』では、薬師丸ひろ子と真田広之を主演に迎え、伝奇アクションとロマンスが融合した壮大なエンターテインメントへと昇華させ、興行的に大成功を収めました。
テレビで培った緻密な心理描写と、劇場用映画に求められるダイナミックなアクション・スペクタクルを自在に行き来できる力量は、当時の映画界において極めて稀有な存在感を放っていました。