喉の中央に位置する甲状軟骨は、声帯を保護するシールドのような役割を果たしている。男性の場合、この軟骨板が交わる角度が約90度と鋭角であるため、突起が「アダムス・アップル」として大きく前に出る。これに対し、一般的な女性の交差角は約120度とゆるやかで、周囲の軟部組織に埋もれる構造となっている。
しかし、生まれつき軟骨の形状が鋭角であったり、声帯の長さに伴って軟骨が前方へ突出しているケースも少なくない。「声が低めであること」と「喉仏の突出」が同時に見られる場合、声帯の構造自体が甲状軟骨の大きさに影響されている可能性がある。声のトーンや響きに悩みを持つ人が多い背景には、こうした肉体的な構造と生理機能の密接な連動が存在しているのだ。