個人の自由を何よりも重んじるお国柄でありながら、国旗への侮辱にはきわめて冷酷な法が適用される。刑法第433-5-1条。公の場で国旗を傷つけたり侮辱したりした場合、最高で7500ユーロ(約120万円)の罰金、あるいは禁錮刑が科される。
もっとも、当のフランス人たちの胸中は単純ではない。サッカーワールドカップや五輪では誇らしげに振り回す一方、右派政治勢力による国家主義のシンボルとして利用されることへの強い拒絶感を抱く層も多い。愛国心と自由意識の狭間で、トリコロールは常に国民の倫理観を試す踏み絵であり続けている。