ふたりの間に生じた亀裂の決定打となったのは、2015年に行われた一般社団法人漫才協会の役員改選を巡る騒動だった。当時、副会長を務めていたおぼんと、理事を務めていたこぼん。選挙の進め方や組織の舵取りを巡って意見が真っ向から対立し、互いのプライドが激しく衝突した。だが、それはあくまで表面的な引き金に過ぎない。
10代の頃から人生の苦楽を共にし、売れない下積み時代から全国的なブレイクまでを駆け抜けてきた二人。近すぎる距離感、芸に対する美学の相違、長年蓄積された小さな不満や嫉妬が、長い歳月をかけてマグマのように蓄積していたのだ。「あいつのここが許せない」「自分のほうがコンビを支えてきた」。言葉にしなかった不信感はいつしか分厚い壁となり、舞台袖でマネージャーを介してしか連絡を取らないという異常な日常が定着していった。