今年の式典において際立ったのは、参列遺族の世代交代の鮮明さだ。戦前・戦中を生き抜き、戦場のリアルを知る世代はすでに2割を切り、遺児(戦没者の子ども)世代ですら80代半ばを超えている。現在、会場の主役となっているのは、戦没者の孫やひ孫にあたる第3・第4世代だ。
父親の顔を知らずに育った遺児たちの痛切な思いから、「歴史の教科書で戦争を学んだ」若者たちの視点へ。バトンは間違いなく次世代へと手渡されつつある。しかしそこには、質的な断絶も存在する。戦後の貧困や家庭内に漂っていた暗い影を体験として知る世代と、知識として戦争を理解する世代との間には、感情のリアリティに大きな隔たりがあるからだ。
全国の遺族会組織は今、存続の岐路に立たされている。かつて数十万人規模を誇った組織も、後継者不足により各地で活動休止に追い込まれている。「肉声の証言」が得られなくなる未来が目前に迫る中、式典のあり方そのものの再定義が求められている。