本作を世に送り出したのはテレビ朝日である。当時、他局が王道の恋愛路線や過激な演出で視聴率を競い合う中、テレビ朝日は人間の内面に深く踏み込む野心的な番組作りを追求していた。
当時の関係者への取材によると、現場ではNGが連発しても納得がいくまで何十テイクも重ねる徹底的な演出が行われていたという。特に夜間の屋外ロケーション撮影では、キャスト・スタッフが寒さと疲労に耐えながら、本物の感情を引き出すための壮絶なやり取りが繰り広げられた。こうした一切の妥協を許さない制作陣の執念が、画面から漂う本物のリアリティへと結晶したのだ。